事業型のNPO法人設立の際の注意点
NPO法人での起業は通常の会社以上に様々なメリットがありますが、通常の会社以上に注意が必要な部分も多くあります。以下に事例別に分けてよくありがちなものを書いていきます。
介護保険・支援費事業でNPO起業される場合
介護分野においての注意点は、まずは「NPOの設立=介護事業ができる」ではないことです。介護においては何らかの法人格を持っていることはあくまで前提にしか過ぎず、法人格を持った上で「介護保険・支援費指定事業者」の指定登録を取らなければなりません。事業ごとの詳細な要件(介護・支援費専門ページ追加予定)だけでなく、法人そのものの作り方1つで取れないケースもあり、4ヶ月かかって設立したにもかかわらず、変更のためにまた4ヶ月かかってしまったという話も少なくありません。
NPOで介護事業をスタートされる際には、法人設立前から行政への相談も含め、相当の準備・勉強が必要になります。また、NPO法人では融資を受けにくいということもありますので、資本金はいらないと
は言うものの、ある程度の準備金は必要です。ご依頼の際には、その法人に応じたシュミレーション等もご提案させていただきます。
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すでに会社をお持ちで、さらにNPOを考える方
すでに会社を経営されている方で、会社そのもののイメージや提供商品・サービスの普及等をNPO法人として行うことはメリットのページでも書きましたが、大きな注意点として本当にメリットのある活動ができる内容かどうかということが挙げられます。
NPOも法人である以上、どんな活動をしていくかによって法人税や住民税、消費税等を考えなければならず、設立に当たってはこれらの考慮が必要です。
当事務所でも毎年相当数の設立をお手伝いさせていただいておりますが、毎回のようにこれらを調査する必要があるほどNPOは多岐にわたりますので、NPO法人のメリットを最大限活用するためにご注意ください。
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新規に独立起業される場合
新規で起業される際の注意点はNPOに限りませんが、やはり最初の軍資金をどうするかが一番の問題かと思います。しばらく騒がれた1円会社もそうですが、銀行や国金などの融資額は、資本金(準備金)の2〜3倍までと決まっている場合がほとんどであり、資本金や準備金がなくても設立はできるものの、すぐに運営ができなくなるという声も多く聞きますので注意が必要です。
また、NPO独自のメリットがプラスされる代わりに、NPO独自の義務(報告・公開等)も追加されます。
最近では起業スタイルが有限会社・株式会社・NPO法人のどれかというような流れにやっとなってきたように感じます。しかし、NPO法人が身近になってきた反面、設立自体も容易に出来てしまうと感じてしまっていることが残念に思います。当事務所でもNPO専門として業務を行っておりますが、それでも書類を作るには早くても1週間は試行錯誤が必要です。NPO法人の法人格を取るだけであれば穴埋め式の書類でも良いとは思いますが、設立後を考えるならば(本当の)専門家のアドバイスは必須であるとも思います。
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